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調停離婚成立での調書の不備について

私は半年前に調停離婚をしました。
理由は家庭の問題と同僚の女性問題でした。
調停員との話し合いの末、のちに同僚の女性への訴訟などを起こされないためにも、解決金には女性の件も含めて支払うこととし、元妻もそれに承諾。
女性の件を含めた解決金と養育費を払うことで成立しました。
ですが、先日、女性から元妻より訴訟を起こされたと連絡がありました。
私は、当然解決金には女性の件も含まれているからおかしいと思い、裁判所に相談したところ、「調書には第三者について記載がないので効力はないですね。書記官も4月で移動になってくわしい内容もわからないですから。」という返答。
調停員から、今後訴訟などの問題が起こらないようにというアドバイスによりこのような解決金の支払い方法を選択したにもかかわらず、裁判所の返答は「仕方ないですね」。
その当時の私のメモにはしっかり女性の件を含めた解決金で成立。ということも書き込んでいますし、私自身確認のために調停毎にとっておいたボイスレコーダーにもしっかり録音されています。
私も、うかつであったと反省していますが、このような場合一体どうしたらよいのでしょうか。
裁判所側にも落ち度があると思います。
内容の書き換えなどの手続きはできるのでしょうか。
アドバイスよろしくお願いいたします。

  • 弁護士法人 優わかば法律事務所
    伊東 浩子

    なかなか困難だと思います。

    調停条項案自体の無効を争うことが考えられますが、これが認められることは困難でしょう。調停ごとにボイスレコーダーに録音していたということですが、その内容は、調停委員とのやり取りと思われ、相手の女性の声が入っているとは思われません。したがって、相手の女性がどう言ったかは立証できにくいと思います。また、調停成立時には、裁判官が入って条項の確認をしていると思いますので、原則として、条項が違うという主張は通らないと思います。
    また、同僚の女性の訴訟において、女性の分の解決金も支払い済みという主張をすることも考えられますが、これも証拠がないと認められませんし、かえって、相手方が調停証書を証拠として出すと、裁判所に、同僚の女性の分の解決金は未払いとの心証を取られる可能性があります。
    ただし、共同不法行為の場合(あなたたの場合は、共同不法行為になると思われます。したがって、それを前提に考えます。)、債務内容は、少し難しくいうと不真正連帯債務と言われるものになります。つまり、仮に損害額が500万円とすると、あなたと女性のどちらが500万円支払ってもよく、また、二人で合計500万円支払ってもよいのです。したがって、この場合、あなたが500万円支払っていれば、同僚の女性は支払義務がなくなるともいえるののです。よって、この点を主張することも考えられます。
    調停条項等を見ないと、具体的に分からないところもありますので、弁護士に直接相談された方が良いと思います。

  • なります法律事務所
    水野 順一

    調書の内容の書き換えは難しいと思います。女性の訴訟において、すでに解決しており、別途慰謝料等は発生しない旨を証拠を出して主張するほうがよいと思います。

  • 山崎法律事務所
    山崎 佳寿幸

    調停調書に不備はありませんが,解決金を全額支払えば,同僚の女性が元妻の請求を斥けることができる可能性があります。

    まず,同僚の女性は,調停の当事者ではありませんので,調停調書は元妻とその同僚女性との関係について何らかの法律上の権利義務,関係を作ることはできません。
    もし,同僚の女性共と妻との関係も一緒に解決したかったのであれば,同僚の女性ともその調停に参加する必要があったと思います。
    そして,「解決金には女性の件も含めて支払う」の趣旨としては,女性との不貞関係の慰謝料としても趣旨も含むという意味と考えられます。
    不貞の慰謝料は,配偶者とその不貞相手が連帯責任を負います。
    従って,あなたが慰謝料の責任を負った場合でも,元妻は不貞相手に対しても慰謝料請求ができます。
    このように,調停調書に不備があると考えることは難しいと思います。
    他方で,慰謝料は連帯責任ですので,どちらかが支払えば他方の支払う責任がなくなります。
    そこで,あなたが調停調書に記載された解決金を全額支払えば,その解決金に慰謝料の趣旨もあるわけですから,同僚の女性の責任の全部または一部がなくなる可能性があります。
    同僚の女性の責任が全部なくなると,同僚の女性は,元妻の請求を斥けることができます。

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